「そんなことがあるのか?」と思う方もいるかもしれません。
僕自信も「人のことはあまり非難しない方だと思う」という自己認識でした。ある時までは・・・。
ジョン・M・ゴットマン博士というワシントン大学の心理学教授がいます。
ご存知の方もいるかもしれませんが、夫婦、家族問題に関する権威でカップルの会話を5分間聞いただけでその後離婚するか否かを91%の確率で言い当てるという素敵な(?)方です。
彼の著書「結婚生活を成功させる七つの原則」(THE SEVEN PRINCIPLES FOR MAKING MARRIAGE WORK)という本の中で「関係性の4毒素」というものが紹介されています。
本当に簡単に一部お伝えすると、夫婦のコミュニケーションの中で対立が起きた、起きそうな時にダメージを与える要素を「毒素」として扱っています。
ちなみに4毒素とは
「非難」
「自己弁護」
「侮辱」
「逃避」
です。(参考まで、ここでは全ての詳細は扱いませんのでご興味ある方は本をどうぞ!)
非難はまさに相手を非難すること。
行動そのものに対する不満ではなく、対象を人物に向けて追い詰めていくような。
「君のせいだ」
「君がもっとしっかりしていれば」
「どうして君はいつもそうなんだ」
4毒素を紹介された時に僕はあまりこれをやっている自覚がなかった事を覚えています。
そして次の「自己弁護」。
これは自分が悪いわけではない、いわゆる他責にする行為です。
確かに、コミュニケーションの中にはよくないけど、非難に比べるとまだましかな?
なんて思っていたのですが、この自己弁護、実はよく考えてみると非難しているのと変わらないことに気付きます。
わかりやすいのは夫婦などの2人の関係で、その関係性に問題があったとします。
「私は悪くない」
と、片方が言ったとすれば
「相手が悪い」と、言っているのと変わりありません。
あ、おれやってるな、これ。その時の率直な感想ですw
非難は確かにしていないけど、実質的にはそれと同じことを自覚なく行っている。
夫婦や家族ではもちろんのこと、企業などでもこんなシーンは見られますよね。
「自分は関係ない、悪くない」、これは周りの人たちへ無意識に「君たちの誰かが悪い」というインパクトを残します。
問題が起きて、団結が必要な時こんなコミュニケーションが頻繁にあると士気は高まりません。
もちろん、これを一切やってはいけないということではないですし、夫婦などの関係性の中では結構出てくることともいえます。
ただ、無意識でこれを繰り返していると関係性は崩壊に向かっていくことは明白です。
私たちが行っているシステムコーチング(関係性へのコーチング)では、常に
「私たち」
という文脈を意識します。
パートナー、チーム、組織で何か解決したい問題がある時に、「私は」「あなたは」「それは」「それらは」ではなく、「私たちは」を意識するだけで肯定性は高まっていきます。
これを、自覚的に行うことをサポートするのがシステムコーチの役割の一部です。
このトピック、僕同様に思い当たることがある人結構いませんか?
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