システムコーチング(組織などを対象にした関係性へのコーチング)を行う中で、クライアントの組織が時に沈黙することがあります。
普段の会議や商談などでも、沈黙するシチュエーションはよくあることです。
沈黙になると、何故かその状況を打開しようとして盛り上げるような事が行われることがありますが実はそれはとてももったいない。沈黙は何故か良くないものとして扱われることが多いと感じます。
言葉はなくても様々な感情や場の空気などに大きな動きがあることをその場の人は感じています、
普段そのまま沈黙の中にいることは慣れていないことも多く、違和感や恐怖感などを感じることも少なくありません。
でも、この沈黙に感覚を研ぎ澄ませてみるときっと様々な新たな情報があるはずです。
「本当は言いたいけれど、雰囲気的に言えないことがある」
「言ってもどうせ聞き入れられないというあきらめ」
「頭では理解しているけど、しっくりしてはいないという気持ち」
「理論的には全く話せないけど感じている感覚」
他にも無数にあります。
この情報は言葉にされてはいませんが確実に存在しているもので、決して無かったことにすることは出来ません。無かったことに出来ないくらい、その人にとってとても重要なメッセージだからです。
ですので、この大事なメッセージをどんな形であれ無視することになると後々に影響がでてきます。
「そんな大事なら、その場でちゃんと言葉にしろよ」
という意見が出てきそうですが、きっとそこには言えない仕組みが存在していて、思ったままに言うことがとてもリスクだと感じる仕組みが必ずあります。
一度、沈黙が訪れたときにここにどんな情報があるのか、全ての感覚を研ぎ澄ませて感じ取ってみてると面白いかもしれません。その時は評価判断をするのではなく、単にどんな声が存在するのかに意識を向けてみます。
評価判断や思い込みがあればあるほど、それに対して都合の悪い情報は入ってきません、そこにある情報から、今後の組織が向かうべき姿が見えてくる入口になりえる可能性が高いです。
人は感情の生き物とも言われていますが、その集合体は「感情の集合体」といえます、
言葉にはならないものを読みとる力が不確定な要素の多い現在、本当に必要です。
本当に組織に必要な「重要な情報」は、言葉になっていないところにあります。
「沈黙」は気まずいものではなく、情報の宝庫です。
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