2011年3月28日月曜日

「公倍数的人間関係」

先日、私の中学時代の恩師が亡くなり偲ぶ会が青山葬儀場で行われました。


癌の手術をされた後の、2年前同窓会でお会いして20数年ぶりに話をさせていただき、中学のころから感じていた洒落た格好と会話という部分では全く変わりないと実感したことを思い出します。酒をこよなく愛した、イカした先生です。


ただ、彼がどんな価値観、思想をもった人なのかは中学時代には全く理解できず・・・。


先日の偲ぶ会で彼の語録(文集などに寄稿したもの)が、式しおりに記載されており、内容を見て僕の今行っている仕事のルーツがこの先生にあったのかもしれないと全く予期せぬ発見に驚嘆。。


“「公倍数的な関係性」に人の成長、夢がある”と彼は言っています。





以下、私の中学時代の恩師である相川忠亮先生が1972年に担当していたクラスの文集に所収した内容です。



人が生きていくということが、詰まる所、自己を表現していくことだとすれば、そこからする人間関係への夢があってもいいだろう。


それが「公倍数的関係」だ。そこにおける「共通点」は個性を捨象することによって作られるのではなく、相手の個性に匹敵するものを自分の中に作り出すことによって、作られることになる。


互いに個性を発揮しあうことが、ひいては共通の広場をより豊かに広げることになる。


「公約数的関係」では本質的には自分も相手も変わらない。


共通点だけ確認して、自他の個性は相手を刺激しないように、関係の外に置かれる。


それに対して「公倍数的関係」では、お互いの自己主張、自己表現が出発点であり、関係を作るということは、互いに関わりあって、「公倍数」を作りあうということだ。



相手の個性に自分の個性をぶつけてお互いに「公倍数」にまで広がらなくてはならない。



「公約数」は、もともと自分の中にあったものを発見すれば足りるが、「公倍数」は、自分全体を足がかりにし、相手を消化して作り上げるものだ。



自分が自分である所以のものがとても大切なものだということと全く同じ意味で、相手が相手である所以のものがとても大切になる。



僕自身が現在生業にしているシステムコーチング(関係性へのコーチング)で表現したいことを、彼は信条としてもっていて、僕らに関わっていてくれたことを知りました。


すぐに共通点を見つけようとする、関係性に僕は違和感を覚えています。


違いが大事だと言いつつ、結局共通点に行きがちな傾向。



違いが大事ならば、まずは違いが何かをはっきりさせる必要があり、そのことができてこそ本当の多様性が生まれる、彼の言葉でいうところの「公倍数的関係」です。



中学時代は全くわからなかった彼の考えがいつの間にか僕の中には残っていたのかもしれないと思うのと、今この仕事をしていることが決して偶然ではなく、恩師が常に発していたメッセージと符合しています。


自分が創られているいる存在だと知ったし、この仕事への向き合い方を彼から改めて念を押された気がした出来事でした。

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